2012年12月に初版発行された本書籍についての書評をまとめてみます。 【書籍の概要】 お客様の感想をデータに基づいて見える化していく手法で、元々「株式会社やづや」で考案された顧客ポートフォリオ・マネジメント理論(以下CPM)についての解説。練習問題やRFM分析との違いについても端的に記してあるため読みやすく理解が深まる。また、現状どのデータが足りないのか、どのように集めるのか等の気づきに繋がるため分析用データ構築の発想にも役立つ。 【理論】 基本は5分類でその中で2回以上かつキャンペーン狙いではない顧客に対してもっと自社のファンになってもらうマーケティング手法。現況の顧客がどのように優良顧客に推移しているのかをリアルタイムに共有する。どの施策によってセグメント推移率が改善したのか、悪化したのか、良し悪し関わらず分析していくことが大事なのでPDCAを回しつつ、社員の経営参加と柔軟な発想を生み出していくことがCPMでは重要。どちらかというと中長期的に顧客にアプローチしていくので1・2回の施策でNGと判断するのはNG。顧客の分布を作成してリピート曲線を描いてこつこつ顧客から優良顧客のフォローが大事なので軽々に判断しないこと。 【RFMとの違い】 RFMは・最終購入日(Recency)・累積利用回数(Frequency)・累積利用金額(Monetary)をスコア化してスコアが高く、利益の上がるセグメントを抽出してアプローチする方法。一見同じに見えるが利益の最大化ではなくコストの最小化を目的。そのため、コストがかかってしまう顧客を切捨てしがちになるがCPMではどの層に対して何のフォローをするのか考え、計画、実行、結果の振り返り、改善を繰返す。 【販売の方法】 販売の例をいくつか紹介しているがその中で個人的に関心したのがその商品がどんな人に向いているのか否か を率直に案内する事。よくネットの通販サイトでこの商品を買った人はこんな商品も買っていますというサジェストを目にするがこれをもっと掘下げてメリットデメリットをはっきりと提示することは信頼につながる。 また、商品購入前のセールストーク(キャッチコピー)を強くしすぎて商品購入後のがっかり感が高くなってしまう事は控える。 【まとめ】 現況と理想がどのくらい乖離しているのかデータの粒度等も含めて書き記す。現況を今あるデータで推移率を確認する。マーケティングを専属させるよりも従業員全員からのボトムアップを取り入れる。自社独特の繁忙期閑散期があるのか等なんでもよいので気づきを得る
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